山口和也 / Kazuya Yamaguchi

山口和也 / Kazuya Yamaguchi

美術家

山口和也 / Kazuya Yamaguchi

京都芸術大学卒業。瞬間の彼方にある永遠性を描き出す美術家。

一人の音楽家とステージに立って即興で描かれる "KAKIAIKKO" で、2000年絵画の全国公募展 関口芸術基金賞(TAMON賞)グランプリを受賞。副賞として滞在したニューヨークで日本画家千住博の依頼を受け、アトリエでの制作風景を三年間撮影、写真集「大徳寺聚光院伊東別院 襖絵大全」(共著:辻仁成)を求龍堂より刊行する。2004年には千住のアートディレクションによる羽田空港第二ターミナルの天井画制作リーダーを務め、その制作の舞台裏を記録したフォトドキュメンタリー「世界の千住 宇宙に描く」を刊行する。近年はプロボクサーを主な被写体とし、写真集 ”KOMATSU NORIYUKI YAMAGUCHI KAZUYA” を2011年に刊行。2008年からは辰吉丈一郎の撮影を継続している。

2016年 特製花火による描画手法を用いた観音寺本堂(兵庫)の天井画「鳳凰図」が完成。2017年には自ら山へ入って採取した野生の雁皮とその山の湧水のみを原料とした紙作りから制作をはじめる “A piece of the universe” を発表。2018年 日本で唯一の紙祖神を祀る岡太神社・大瀧神社(福井)の「千参百年大祭・御神忌」にて「絵画点火式」を奉納。同年、一休禅師を開祖とする大徳寺真珠庵本堂(京都)の襖絵「空花」が完成。2019年 アルマーニ銀座タワーリニューアル記念スペシャルイベントのライブペインティング、ロサンゼルスにて最新作「空花」の滞在制作・発表をおこなう。

2020年 ロームシアター京都メインホールにて、リサイタル "Blackout/Whiteout" #0 を無観客上演(企画・演出・出演)。2021年 ロームシアター京都ノースホールにて、同リサイタル #1 を初公演。出雲大神宮(京都)にて、和太鼓集団 鬼太鼓座、辰巳満次郎(シテ方宝生流能楽師)、ブラウリオ・アルバレス(東京バレエ団ソリスト)らと「クニトコタチ」を上演。アラベスクホー ル(兵庫)にて「絵画というリサイタル」を開催。

2023年 クラシック音楽の殿堂 ザ・シンフォニーホール(大阪)にて「絵画というリサイタル 」を開催。

受賞歴:

  • 関口芸術基金賞(TAMON賞)大賞
  • 高砂市文化奨励賞
  • 日本ビジュアルアート展 特別賞
  • フラッグアート展 日比野克彦賞 など

Information

春雪 SHUN-SETSU
- 結晶の瞬き Blink of a crystal -

この冬、各地の山々へ出かけ、雪の中に身を置いて描いた新作「春雪」を、京都の MOGANA にて発表いたします。
天から各々に舞いながら地に降り立った雪片は、やがて春の陽光が再び天へと連れていきます。 はじまりの季節に消えゆくもの、輪廻のように儚いひとひらの輝きを山口はとらえ、その画面に落ち溶けた雪結晶の数々が絵画に命を宿します。本展では「春雪」のほか、個を生ける一輪挿し「竜山」の新作などを展示。また初日には自らの筆音によって即興で描き、奏でるリサイタル "Blackout/Whiteout" をおこないます。

会期:
2024年4月20日(土)~27 日(土)10:00-18:00
料金:
無料
主催:
空花
会場:
MOGANA
京都府京都市中京区小川通御池下る壺屋町 450
Tel:075-606-5281
https://yadomogana.com

・春雪 SHUN-SETSU
動画:https://youtu.be/5wLEjRXDKG8
Online Gallery:https://www.instagram.com/shun_setsu2024

Special Event

リサイタル"Blackout/Whiteout"

山口和也が一人舞台に立ち、即興で一枚の絵画を描き、奏でます。
その筆音と絵画を鑑賞いただくリサイタル。

日時:
4月20日(土)16:00-17:00 (開場 15:45)
会場:
MOGANA Meditation Room
料金:
3,000 円(税込)

ナイトミュージアム&アーティストトーク

アーティストと話しながら本展をゆっくりとご観覧いただける「夜の作品鑑賞会」です。BARにてお好きな飲み物をひとつお選びいただけます。

日時:
4月26日(金)、27日(土) 19:00-20:00
会場:
MOGANA BAR
料金:
3,000 円(税込) ワンドリンク付

Special Event 【予約方法】

前日までに、MOGANA のメール(info@yadomogana.com)宛に下記の情報を記載のうえお申込下さい。
・代表者様の氏名
・電話番号
・人数
・参加日時
※事前のご予約をお願いいたします。
※お支払いは当日現金のみのご対応となります。

絵画というリサイタル

@ザ・シンフォニーホール

2023.03.13 mon

クラシック音楽の殿堂に一人の美術家が持ち込んだ絵画
言葉が存在する以前にあった
「生きる」という音 「生きた」という絵
生命というクラシックの原初へ いま旅がはじまる

世界がパンデミックに陥って間もない2020年7月、山口和也はロームシアター京都メインホールの舞台に無人の客席を前に一人立っていました。二日間に渡る舞台はそれぞれ「闇の彼方」「光の彼方」として演出され、あたかも宇宙空間における個の存在を象徴するようにその只中に置かれた一人の画家は、視覚を拠り所とすることなく、生まれくる衝動を9枚のキャンバスへと刻んでいきました。その筆跡は音となりホールに小さく響いたあと闇や光の彼方へと消えていきます。刻まれた線たちは何かを描こうとしたものではなく、その筆音は演奏を目的としたものではありませんでした。それは絵画や音楽という言葉が誕生する以前の「はじまり」へのアプローチであり、私たちがこの世に誕生してから去るまでの、生きることそのもののようでもありました。山口はこの舞台を リサイタルBLACKOUT/WHITEOUT #0 と名付けました。

動画:BLACKOUT/WHITEOUT #0
https://youtu.be/5xQoA7kB37Y

2021年3月、リサイタル"BLACKOUT/WHITEOUT #1" @ロームシアター京都ノースホールの舞台で描かれた18点の絵画と、その絵画が誕生する過程の産声(筆音)によるインスタレーション(展覧会)です。あたかも先史時代の洞窟に足を踏み入れたかのような空間で、生命の鼓動へと耳を澄まし、古典から更なる原初へと誘うこの旅は、素晴らしい音響を誇るクラシック音楽の殿堂 ザ・シンフォニーホールを会場とすることに意味があります。また普段はなかなか上がることのできない舞台に上がって作品をご覧いただける特別な機会ともなっております。そしてこれまでのリサイタル "BLACKOUT/WHITEOUT #0・#1" で描かれた全36点の絵画を収めた音源付き作品集がこの日、刊行されます。

日時:
2023年3月13日(月)2:00pm-8:00pm 随時入場可 開場1:30pm
※毎時00分に作家挨拶あり
会場:
ザ・シンフォニーホール
〒531-0075 大阪府大阪市北区大淀南2丁目3-3 Map
TEL:
06-6453-1010
料金:
  • 前売券:1,000円
  • 当日券:1,500円
  • 特別前売券:3,000円
    BLACKOUT/WHITEOUT#0 全18作品のポストカード18枚+箱額(3,000円)付
  • [主催/お問合せ] 空花 075-201-5125
  • [協力] ザ・シンフォニーホール / アーツサポート関西

Works

BLACKOUT/WHITEOUT

世界がパンデミックに陥って間もない2020年7月、ロームシアター京都メインホールの空間を二日間に渡り闇と光へ演出し、無人の客席を前に山口はそのステージへ描くものを持たない一人の画家として自身を立たせました。それは宇宙空間における個の存在を象徴するようであり、視覚を拠り所としない中で一人ナニモノカと呼応して生まれ出ずる線たちは、視覚的に何かを描こうとしたものではなく、その筆音は薄暗い空間に響いたあと消えていきました。それは音楽や絵画という言葉が誕生する以前の「はじまり」へのアプローチであり、 また私たちがこの世に誕生してから去るまでの「生きること」そのもののようでもありました。終演後「リサイタルBLACKOUT/WHITEOUT #0」と名付けられたこの舞台は、翌年「同 #1」として初公演されました。

絵画というリサイタル

「リサイタルBLACKOUT/WHITEOUT」を終えたあとの舞台には、その軌跡が刻まれた九枚の木製パネルが残されます。「絵画というリサイタル」では、それらの痕跡を額装し絵画として再び舞台上へ展示し、絵画が誕生する過程で録音された産声とも言える筆音と共にご覧いただくインスタレーション(展覧会)です。あたかも先史時代の洞窟に足を踏み入れたかのような空間で、生きた軌跡へと耳を澄ませ、音楽のそして絵画の古典から更なる原初へと誘うこの旅は、2023年3月、素晴らしい音響を誇るクラシック音楽の殿堂 ザ・シンフォニーホールで一つの完成形を迎えます。

Eternal trace_Flowers

瞬間の彼方にある永遠性は山口が一貫して求めてきたテーマであり、その象徴的なシリーズ。
永遠はどこにあるのかという質問に賢者はどう答えるのだろうか。それは瞬間の中にしかないというのが山口の結論である。花火師との共作によって瞬時に画面全体を炎が駆け巡り、その閃光の痕跡として画面に花が咲く。そうして瞬間的に咲いた花こそが、永遠の美であると捉えた。

A piece of the universe

その制作は、自ら山へ入り採取した和紙の原料である雁皮と山の湧き水のみを用いて、自らの手で一枚の紙を漉くところからはじまりました。それは太古の記憶に耳を澄ませ、それを掬い上げること。石川県にある温泉の露天風呂に浸かって星空を眺めていた際に突然実感したという、今いるここもまた宇宙であるという感覚が本作の起点であり、山へ入って悠久の記憶を内包する地球のかけらを作品の支持体としました。仕上げには炎を瞬間的に画面全体へ走らせ、今という永遠を焼き付けることで「宇宙のかけら」が誕生します。

大徳寺真珠庵 襖絵 「空花」

一休禅師を開祖とする臨済宗大本山大徳寺の塔頭・真珠庵本堂内陣に描かれた襖絵「空花」
まだ薄暗い本堂で座禅を組んでいた際にみた「闇の粒子」によって、ようやくその制作に着手することができた。自らの手で雁皮紙を漉き、松煙墨を噴き、銀箔を一つずつ押していく。その行程を繰り返すことで、視覚では確認できない星々がこの絵には隠されている。表層を描くのではなく何万光年も彼方の宇宙から届く光を内包させた。そして最も表層には炎を瞬間的に画面全体へ走らせ、今を焼き付けた。一休さんの坐像が安置され、通常は僧侶しか立ち入ることがない薄暗い部屋に描かれてある。

石彫 「空花」

兵庫県高砂市で採石される竜山石を使った石彫作品。
竜山石は、約一億年前に西日本で起こった大規模な火山活動によって誕生したといわれている。その悠久の時間へ、今というひとすじの閃光を走らせた。

Letter to G.A.

アルマーニ銀座タワーのリニューアル記念スペシャルイベントにて、大理石に囲まれたV.I.Pルームで描かれた。その日アルマーニの書斎として位置付けられたその部屋の中央に山口は立ち、周りをヴィオラ・ダ・ガンバという16世紀から18世紀頃にヨーロッパで用いられた擦弦楽器やバイオリンなど四人の奏者が囲んだ。彼らが奏でるバロック音楽と、全てが深淵な静けさをたたえた"GIORGIO ARMANI"の世界観に誘われながら、遠い昔のイタリアを旅するような感覚を憶えたという。
そして自らへ宛てて手紙を書いた。

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